大人のEach Love


あ、やっぱり自分の寝癖に気付いていたんだ。


照れ臭そうに、自分の髪を手ぐしで直そうとしていた貴方に、私は笑いながら頷いて見せた。


「凄いですね?直ります?それ。」


私の言葉に少し困った顔をした貴方は、
私の髪に手を伸ばした…。


「キミも、凄いよ?寝癖。あははっ。」


そう言いながら、貴方は私の髪に指を通す。

その穏やかな微笑みを間近で目にしたせいか、
無駄に心拍数が上がってしまう。


まるで、私が先に貴方を好きになったみたい。
貴方が、先に私を好きになったはず。


それが妙に腹立たしく思えて、
私は貴方に向かって嫌がらせかのような言葉を
口にした…。


「いいです。別に。直らなくても。
二人で仲良くお泊まり出勤って事で
いいじゃないですか?」



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