大人のEach Love


少しの痛みを感じれば、
何をされたか位は分かっていて…。

私は、それを拒まなかった。



だって、貴方が、

…好きだからだ。



私にキスマークを付けた貴方も、

きっと…



「…ずっと、キミの事が好きだった。」


ほら、やっぱり…。


「…知ってた。」


「キミ、酷いね?」


「そんな事はないですよ。
もっと、早くに聞けると思っていました。」


「待っててくれたの?」


「いえ?別に。
私から言おうかと思っていましたし。」


「俺が待ってたら、言ってくれてた?」


「…さぁ?
それは分かりかねますね。」


--- 『23階です。』


エレベーターのアナウンスが
この小さな箱に響き渡ると…

貴方は【閉】のボタンを押した後、
【1】のボタンを押した。



後で、ゆっくり伝えるね。


私の『好き』を…



- fin -
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