大人のEach Love
そのクリスマスから、彼女とは恋人の仲。
それは、生徒にも他の塾講師にもバレないように気をつけていた。
俺はバレても構わないと思っていたけれど、恥ずかしがり屋の彼女が公にすることを拒んだんだ。
彼女、【桜】は相変わらず塾生徒に【教育ママ】と言われていた。
眼鏡を外した素顔の彼女。
その愛らしさを知っていた俺は、それが腹立たしくて仕方がなかった。
若くて綺麗な素肌をファンデーションやら、つけまつげやらで飾った生徒達より、桜はずっと綺麗で・・・。
それを公言出来ない歯痒さが、俺に余計な言葉を吐かせた。
「桜、眼鏡からコンタクトにしたら?
きっと、似合うと思うよ?」
「急に、どうしたの?眼鏡じゃ、ダメ?」
「ダメとかじゃなくて・・・。
あ!ほら、チークとかスーツ変えるとかは?
たまには黒のスーツとかもいいんじゃない?」
「・・・え?私、黒はちょっと・・・。
お化粧も薄くしかしてないし・・・。」