大人のEach Love


だよね。
うん。
全部、分かってるんだよ。
俺。

キミは、本当はそのまんまで十分可愛いんだ。


だけど・・・キミをとやかく言う奴らに、ギャフンと言わせたいんだよ。

桜は、こんなにも綺麗なんだよって・・・



「桜、もっと笑うようにしてみたらどうかな?毎回の授業で緊張するかもしれないけれど、口調を柔らかくするとかさ?」


「佑さん・・・。それは、彼氏としての言葉ですか?それとも塾講師の先輩としての言葉ですか・・・?」


桜は、そう言いながら俺を睨みつけるように見上げる。


違う、桜。
キミに不満があるとかじゃないんだ。
だが、思ったままを口にしたところで、
キミは『ほっとけばいいんです。』
って言うに決まってる。

俺は、桜の悪口を聞くのが嫌で、不服で仕方が無かった。

ただ・・・それだけだったのに。

俺は桜を笑顔にするどころか、眉間にシワを寄せさせる事しか出来なかった。


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