大人のEach Love



「…和臣が悪かったんじゃない。
私が、自分勝手に振ったんだってば。」


「それは、嘘だ。
俺が、あの頃就職に悩んでいたから。
サークル仲間が冗談とはいえ、
春美が俺を甘やかすからだとか言い出したから
身を引いたんだ。
春美は、人に気を使わせるのが苦手だから。」


「…何、…それ?
私ってば、いい女的な解釈をされていたの?
…それも、悪くないわね?」


「そうやって、茶化すなよ。」


「ふぅ…。そうね。ありがとう、和臣。
これで少し、スッキリしたかなー…。
…花子も、ありがとう。大好き。」


私がそう言うと、花子は鏡越しに微笑みながら
可愛いその瞳を潤ませた。


もうっ、ばかね…
折角のメイクが崩れちゃうじゃない。

でも、花子は何も言わなかったけれど
凄く不安だったんだと思う。
自分の親友と、旦那様になる人が…とか。


もう、心配はかけさせないからね?
不安も、感じなくていいんだよ?

だって、こんなに気持ちが晴れたんだから…



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