大人のEach Love
今日が平日で良かったと、心の底から思う。
だって、休日だったら彼と二人でここに来ていたはずだから。
私は自分の乗って来ていた車の車内に入ると、直ぐさまエンジンをかけて走らせた。
あぁ…
3年って…あっけないなぁ…
そう心の中で呟いた。
赤信号に引っ掛かった時に、バッグの中で鳴る携帯を取り出し相手が誰か確認する。
ディスプレイには、
【最愛】で【最悪】な彼の名前。
私はそれを両手で握り、力強く捻る。
-- ベキベキッ…
その音と同時に、さっきまでの呼び出し音は鳴り止んだ。
頬に雫を一筋伝わせて、私は呟いた。
「明日、スマホ買いに行こう…」
-- end --