大人のEach Love
「社長。
私に一任して下さると
仰有られていた件ですが。」
「…ほう。流石に早いな。
で、聞かせてもらおうか。」
「私が勧められるのは
【俺】しかいません。
俺が、幸せにしてみせます。必ず。」
その言葉を聞いた社長は、
満足そうにしたり顔をして見せながら
『一任すると、言っただろう。
二言はない。
で、朱里はどうなんだ?』
と、視線を俺からお嬢に移した。
俺に肩を抱き寄せられた手に、
お嬢は自分の手を重ね、握り締めた…
「笹山と、二人で歩んで行きたい。
笹山と…ずっと、一緒に。」
涙声になりながらも、
力強く、そう言い切った。