可愛いあの人は高校生
すると突然教室のドアが開いた。
あたしが振り向くと・・・そこには息を切らした加藤くんが立っていた。


加藤くんは今日学校に来てなかったはずなのに・・・?


「加藤くん・・・。」
姿を見るだけで、
名前を声に出すだけで、
見つめられるだけで、
涙が出た。




「辞めるって・・・ついさっき知ったから走って来た。間に合って・・・よかった。」
そう言うと加藤くんはふっと口元を緩めた。



「加藤くん・・・ずっと会いたかったんだよ・・・?」
そう言うと加藤くんはあたしをぎこちなく抱きしめてくれた。
ふわっと香る加藤くんの匂い。
香るたびに苦しくなる。




「ごめん。」
それだけ言うと加藤くんはあたしを離した。



「なんで昨日から謝ってばっかなの?そんなのいらないから理由を話して?」
あたしは恐る恐る聞くと加藤くんはうつむいた。






「ごめん・・・今は言えない。あと・・・しばらく会えないと思う。ごめんな。」






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