可愛いあの人は高校生
「あっん・・・やっ・・・。」
乱れた髪も、息を吐く横顔も・・・・こんなにも懐かしいのに。
どうして・・・?

「加藤くん・・っ!!・・・あっ・・!!」
だんだん激しくなる動きにあたしはもう無意識のうちにまたあの人の名前を呼んでいる。


「有士・・・っ・・あっ・・・ゆ・・・しっ・・・。」
もうそのことに慣れたのか金髪加藤くんは気にせず行為を続けている。




2人共果ててしまうと、金髪加藤くんはすぐに服を着る。
加藤くんなら・・・いつまでもあたしの髪を撫でてくれた。


だけど加藤くんの顔はどうしてもぼんやりとしか思い出せなくなっていた。





無意識のうちに忘れようとしていたのかもしれない。
寂しくて、悲しくて、こんなにも苦しいなら現実なんて忘れてしまったほうがいい・・・と。




「かとう・・・ゆうし。」
ボソッと呟いてみるとなぜか涙が溢れてきた。



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