可愛いあの人は高校生
あたしがボーッとしていると突然後ろから抱きしめられた。
「なあ?いい加減俺の名前覚えてくんない?」
「え?」
思わず聞き返した。

「他の男の名前呼ばれんの結構妬くんだけど。」
そう言うと金髪加藤くんは首筋にキスマークをつけた。



心臓がドクッと音をたてた。
あたしの中の何かが動いてる。
昔・・・加藤くんがつけた位置と同じだった。


だけどもうあたしの髪は伸びてキスマークは髪で隠れるようになってしまった。
「これならバレねーだろ。」

付き合っているわけでもないのに・・・どうして金髪加藤くんがそんなことを言うのかわからなかった。


あたしが黙っていると金髪加藤くんはそっと耳元で囁いた。
「俺の名前な・・・林田 望(はやしだ のぞむ)っつーんだ。」



そう言うと金髪加藤くんはさっさと出て行った。



「はやしだ・・・のぞむ。」
音だけがあたしの中を通り過ぎた。

「かとう・・・ゆうし。」
なぜか音はあたしの中でこだました。
涙がこぼれた。







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