可愛いあの人は高校生
追ってくる母さんを振り切って、あたしは自分のアパートまで帰った。

「ハァ・・・ハァ・・・・。」
息が上がっている。


走っている間にあの妙な痛みと震えは消えてしまっていた。



なんだったんだろう・・・?
加藤有士って誰なんだろう?
どうしてあたしがこんなに苦しまなきゃいけないの!?



ずっと考えていると涙が出てきた。



あたしは気付いたら望くんに電話をかけていた。
「もしもし?」
「もしもし・・・望くん?」


「今すぐ・・・会いたい・・・。」
わがままだってわかってるけど今は1人になりたくなかった。




「いいけど・・・。なんで?」
あたしから電話をかけることはめったになく、望くんは不思議そうだった。

「なんでも!お願い。」
あたしは一方的にそう言うと望くんの家に向かった。



< 44 / 98 >

この作品をシェア

pagetop