可愛いあの人は高校生
その人はすごく哀しそうな表情をして呟いた。

「そうだよな・・・。今まで散々ほったらかしにしておいて今更現れたって忘れられてて当然だよな。・・・・ごめんな。」

そう言うと少し微笑んだ。



その表情を見ているとなぜか胸が熱くなって・・・気付いたら涙が溢れていた。
「ごめん・・・なさい・・・ごめんなさい・・・。思い出したいのに・・・・・!!」

思い出せない自分を歯がゆく感じた。



この人を・・・思い出してあげたい。



そんな話をしていると、望くんが不思議に思ったのか玄関に出てきた。
「奈々?誰そいつ。」

その人・・・加藤さんはあたしと望くんの姿を見て、関係がわかったようだった。


「そうだよな・・・。今更ごめんな。幸せになれよ。」
そう言うと加藤さんは出ていってしまった。


あたしは言っている意味が理解できず、ただ呆然と立ち尽くしていた。



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