可愛いあの人は高校生
加藤さんはメニューを聞くとさっさと戻ろうとした。


行っちゃうよー・・・!!どうしようどうしよう・・・・!!!


頭よりあたしの体の方が早く動いた。
気付いたら加藤さんの手を引っ張っていた。

「お客様。どうされました?」
あくまでも加藤さんはお客として接するつもりらしい。


「あの・・・こないだのことなんですけど!あたしと加藤さんはどういう関係だったんですか!?」

もうあたしはふっきれたように言った。

すると加藤さんは突然哀しそうな表情になり、他のお客さんに聞こえないようそっと呟いた。



「俺のこと・・・思い出せねえんなら忘れた方がずっと幸せになれる。それに、俺が言ったとして奈々の人生を縛り付けたくない。奈々が自分で思い出すまで俺は言うつもりはない。」


そう言うと加藤さんは少し微笑むと奥に戻って行った。



なんで・・・!?
あたしの頭の中は疑問でいっぱいだった。


思い出さないほうがいいって・・・
もしかして不倫相手だったとか!?
義理の兄妹とか!?


なんなんだろう・・・・??


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