可愛いあの人は高校生
嘘みたい・・・・。


あたしは現実をまだ理解できずに加藤くんの腕の中にいた。

たとえこれが嘘でもあたしはこんなにも幸せを感じてる・・・。
加藤くんから香る・・・淡い香りも・・・なつかしいように感じた。
そして離れたくないと思った。
誰の物にもならないで、と思った。


「俺も・・・ずっとお前のこと好きだった。1年前からずっと。」
加藤くんはそう言うとあたしをそっと離すと見つめた。

その瞳に見つめられるとあたしはもう力が入らなくなって・・・心臓はドクンドクンと音をたてて騒ぎ出す。



あたし達はそっとキスを交わした。


望くんにキスされたときはただ触れただけの感触だけで終わりだった。
でも・・・加藤くんは違う。
一瞬触れるだけなのに・・・こんなにも甘くて、甘くて・・・・まるで蜂蜜みたいな甘美なキス。



もうお酒の酔いはとっくに冷めてしまっていて、でもあたしは加藤くんに酔いしれていた。


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