可愛いあの人は高校生
あたしは不安になりながらも加藤くんの胸に顔をうずめて話を聞いていた。

「それでな・・・奈々が妊娠して・・・産んで育てようって約束した。でもな・・・そのことが学校にバレて・・・・。」

そこまで言うと加藤くんの話が止まった。


「それで・・・?それでどうなったの?」
あたしは不安になって必死で問いかけた。


「子供な・・・流産した。」
「うそ・・・!?」
あたしは自分のことなのにすごく驚いて、そしてそれと同時に胸が苦しくなった。


まるで頭が・・・思い出したくないと。
聞きたくないと言っているように。


「それ・・・から?」
あたしは呆然とする心を隠して、加藤くんに聞いた。
でも加藤くんもうつむいて、もう何も話そうとしてくれなかった。


「ごめん・・・な。こんなこと言わなきゃよかった。そしたら普通に幸せになれたのに。」
加藤くんはつらそうに言った。

「ううん・・・きっとあたし知りたくなっていっぱい聞き出しちゃうと思うし・・・それに・・・加藤くんがいるだけで十分幸せだよ?」


あたしはキレイゴトじゃなく、純粋に本当にそう思った。


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