可愛いあの人は高校生
苦しい別れ
次の日、あたしはいつものように学校に行った。

そして望くんに別れを告げるため、保健室に呼び出した。
もうあたしの決心は固かった。

今度こそ・・・絶対流されずに別れなきゃ・・・！！


もう今は不安より決心の方が強かった。


望くんは不機嫌そうに保健室にやってきた。
もう大体あたしが何を言うのかわかっていたのかもしれない。

「なんだよ？話って。」
怒ったような声で望くんは背を向けて言った。


「別れて。」
あたしは冷静に・・・そして強く言い放った。
「いやだ。」
即答だった。


「もう本当に無理なの！！あたし・・・他に好きな人できたから。」
あたしがそう言うと突然望くんはあたしの方を振り返り、壁にあたしを押し付けた。

「キャッ・・・！！」
思わずあたしが声を上げると望くんは逃げられないように両手を壁についてあたしの顔の横に置いた。


でもそれでもあたしの気持ちはまだ変わっていない。
加藤くんを思い出すと・・・同情なんてものはいらない。
きっぱり伝えるしかないんだ。


「そう言うことだから。もう付き合えない。バラしたかったらバラしてもいいよ。あたしもうこの学校も辞めるつもりだから。」

あたしは強く言った。


< 70 / 98 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop