可愛いあの人は高校生
「いいよ。そういうつもりじゃなくて、俺達が出会った場所を奈々に見てほしかっただけ。俺が今好きなのは昔の奈々じゃなくて今の奈々なんだよ。」

そう言うと加藤くんはふっと微笑んだ。


「過去の思い出なんかいいよ。忘れたんならまた新しく作ればいいだろ。」

そう言ってあたしの頭をポンと叩いてくれた。



・・・ありがとう。


でもうまく言葉に出せなくてあたしは静かにうなずいた。


「お前顔赤いぞ?」
加藤くんにからかわれるともっと顔が赤くなるような気がした。
「うるさいっ!」

そう言ってあたし達は笑い合った。



もう過去の記憶なんてなくてもいい・・・この人がいてくれるなら・・・・。



あたしは幸せで幸せで、一生この人を離したくないと思った。


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