可愛いあの人は高校生
幸せだけど・・・気になることがあった。

「ねえ、なんで加藤くんはあたしの前から姿を消したりしたの？」
ずっと疑問だった。
１人だったときどれだけ寂しかったか・・・。
その思いがあたしの愛という強い気持ちを揺るがせた。



「ずっと記憶が戻ったら言おうと思ってたんだけど・・・本当は言いたくなかった。でも本当のこと言うから・・・受け止めてほしい。」

「うん・・・。」

もうあたしはどんなことでも受け入れる覚悟でいた。
何を聞いても・・・この人しかいないのだと。



「俺達の関係をバラしたやついただろ？そいつ田中っていうんだけど。そいつにバラさねーように俺が頼んだらあいつは俺のことが好きだから言う通りにしろって言われた。」

まるで前田由美さんみたい・・・・。


あたしは過去のことを思い出していた。



「それで奈々に会いに行けなくて、それに妊娠してるし心配もかけたくなかった。携帯も新しいのに替えて、家も同居させられて、無理やりヤらされた。・・・でも本当はあいつ俺のこと騙してた。バラしてないと言いながら俺と奈々のことをバラしてたんだよ。」


そう話す加藤くんの目はとても寂しそうで、その目の奥には読み取ろうしてもわからないほどの苦しみが浮かんでいるように思えた。



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表紙・目次

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