可愛いあの人は高校生
しばらく沈黙が続いた後、また加藤くんは話の続き始めた。

「あいつは産みたいって言ってきた。でも俺は堕ろすように言った。そしたらあいつの親に呼ばれて散々説教された。でもあいつは親に嘘ついてたらしくて、俺が全てを話したら向こうの親も理解してくれた。」


そう言うと加藤くんはあたしから目をそらすと天井を見上げた。

あたしも同じように天井を見てみる。
何もない真っ白な世界。
それでもあたし達２人がいることで・・・色付いていくように。

目を見なくても想いが伝わるように。


「ちょうど同じ時に奈々が流産したって聞いて俺は急いで病院に行ったけど、もう遅かった。奈々が眠っている間に奈々の両親に土下座して謝った。お義父さんは納得してくれなかった。でも俺はその時に決めた。」


そう言うと突然天井から目線を外して、あたしの方を振り向いた。
突然顔を見られて、あたしは思わず顔が火照った。


「こいつを絶対守るって。奈々と結婚しようって。」
そう言うと加藤くんはいつものように照れ隠しに頭を掻いた。

その仕草が懐かしくて、愛おしくて・・・思わず涙を流していた。


「本当だよね・・・？」
あたしは確かめるように聞いた。

「ああ。」


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