可愛いあの人は高校生
「・・・あれ?」
あたしは思い出した。

「ん?」
加藤くんが不思議そうにあたしの顔を覗き込んだ。



「なんで加藤くんあたしが記憶失くしてるときはあんなに優しかったの?」


・・・そういえばあの時は今では考えられないような言葉を何度もくれていた。
「好き」とか、昔なら恥ずかしがって絶対言ってくれなかったのに。


「忘れてるんだったら今まで言ってねー分言わなきゃいけねーと思ったんだよ!」
そうぶっきらぼうに言う加藤くんの顔は真っ赤だった。


可愛い・・・。


そう思いながらもあたしは喜びに浸っていた。


「へへ。」
嬉しくて思わず笑ってしまった。

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