恋カナ
第1章 三角関係
―――ゴロゴロゴロ―――
雷の音がまるで電流のように私の部屋に響く。
『午後5時55分55秒に水戸十字街を南から見て
右に曲がって真っ直ぐ行くと……
恋を実らせる店があるーーーー………』
そんな噂をふと思い出す。
私、一ノ瀬香奈は雷に怯えながらそんな事を考えていた。
「本当にあるのかな…そんなお店…」
友達の由紀が言った事だから信じたいけどなーー……。
まぁ、友達「だった」人だけどーー……。
そう、今の時間は火曜日の1時57分。
私は学校を休んでいる。
理由はーー……2週間前に遡る……。