恋カナ
なんで…。
右に曲がった瞬間ぐにゃりと周りが動いたような気がした。
私はそのまま真っ直ぐ歩く。
そうすると見慣れない、看板もないお店らしき建物が見えた。
ここかな…??
勇気を出し、始まりのドアを開ける。
―――ギィィィィ―――
ドアの鈍い音がその建物に響いた。
「あら、いらっしゃい」
突然、そんな声が聞こえた。
次の瞬間、ドアが勝手にしまった。
「!?!?」
「さぁ、こちらへどうぞ?」
暗闇の中で何も見えないはずが、その店主の顔だけがにやりと光ったーー……。