南くんの彼女
「ふぁー…」

何この授業…簡単すぎて眠い…

「ふぁー」

隣からあくびが聞こえた。

「南も眠いの?」

「うん。ここ自主勉でしたから…」

「えらいね…」

真田くんはかっこよくて努力家で憧れの人…

そんな人と今話せてるなんて嘘みたい…

「なあ南ここなんだ?セアソンって呼ぶのか?」

「ハハッここは、season。シーズンって呼ぶんだ」

「おお!そうなのか!さすが南天才だな~」

中学生レベルだよ…ここ…

「なんだよ。俺の魅力に惚れたか!?」

「男に興味はありません」

「なんだよーお前」

この人黙ってればそこそこかっこいいのに…

「やっぱり俺に惚れただろ!」

「バカ」

「何だ…俺…佐々木にきゅんって来た。俺はあっちの人間か?」

何騒いでるのよ。今授業中なのに…

「涼は可愛い顔してるからだよ。もし涼が女の子だったら好きになっちゃってたかもね」

「…ハハッ…」

好きになるわけないじゃん…

真田くん…私のことちゃんと見て…

真田くん…




私は真田くんのそばにいるのが辛くなって姫川学園に転校した。


「はぁ…」

「ため息7回目!幸せ逃げちゃうぞ!」

この子は私が転校してすぐに仲良くなった篠宮空ちゃん。明るくていい子

「…うん。早く諦められたらいいのにな…」

「実はね!ずっと片想いしてた人と両思いになったの!確か梨乃ちゃんは成林中学出身だったよね?」

「うん。そうだよ」

嫌な予感がする…

「じゃあ…知ってるかな?藤山昴くん」

「えっ…同じクラスになったことないからわからないな…」

よかった…真田くんじゃなかった…

真田くん…元気かな…


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