新選組異聞 幕末桜伝
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―約一年前―
「死神?」
土方が怪訝そうな目で聞き返した。あまり聞き慣れた言葉ではない。
「はぁ、何でも、一撃で急所を斬られ殺されているとかで、街ではその噂で持ちきりです。殺られてるのは全て、評判のよくない浪士ばかりらしいんですが…。」
「だからって、殺していいってモンじゃねェだろ。
…早いとこ、何とかしねェとな。」
それはある隊士からの報告だったが、詳しい情報は何も掴めていないようだった。深夜に現れ、反撃の余地も与えぬまま一撃で敵を仕留める、死神。洒落た名前をつけたものだなと土方はほくそ笑んだ。恐らく、相手は相当な手練。
沖田の腕を持ってしても五分五分といった所か。
(あいつら、厄介なもん飼ってやがるな。)
犯人の目星をつけた土方は、その人物がいる場所へと向かった。
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―約一年前―
「死神?」
土方が怪訝そうな目で聞き返した。あまり聞き慣れた言葉ではない。
「はぁ、何でも、一撃で急所を斬られ殺されているとかで、街ではその噂で持ちきりです。殺られてるのは全て、評判のよくない浪士ばかりらしいんですが…。」
「だからって、殺していいってモンじゃねェだろ。
…早いとこ、何とかしねェとな。」
それはある隊士からの報告だったが、詳しい情報は何も掴めていないようだった。深夜に現れ、反撃の余地も与えぬまま一撃で敵を仕留める、死神。洒落た名前をつけたものだなと土方はほくそ笑んだ。恐らく、相手は相当な手練。
沖田の腕を持ってしても五分五分といった所か。
(あいつら、厄介なもん飼ってやがるな。)
犯人の目星をつけた土方は、その人物がいる場所へと向かった。