謝罪のプライド
13.謝らない男の謝罪
出社してすぐけたたましく電話が鳴り響いた。
この音は外線だ。一度咳払いをして、声を整えてから受話器を取る。
「お電話ありがとうございます。ジーザスシステム、ヘルプデスク担当新沼でございます」
『新沼ちゃん、ヤバイ。トラブル発生』
「は?」
いきなり親しげに名前を呼ばれてビビる。しかも呼吸が荒いような。変態さんじゃないよね?
「あの、どちら様ですか」
『ああ、ごめん。田中だけど。……この間導入したマシンがサーバーダウンして』
「田中さん?」
落ち着け私。
まずは田中さんの取引先のデータだ。
先日相談された時に見たホームページを開いた。
東峰ロジステッィク株式会社。
在庫管理も兼ねた貸し倉庫と物流がメインの会社だ。
倉庫自体を商品としていて、取引先から品物を預かり、要望に応じて配達まで行うというサービスを展開している。
「バックアップは大丈夫ですか?」
『その辺りは大丈夫だと思うけど。どうも早朝から落ちてたらしい』
「朝ですか?」
思わず眉を寄せる。朝に外部からのアクセスが多くなることなんてそんなに無いだろう。
基本一般人が興味本位で見るような会社じゃないし。