謝罪のプライド
*
結局、朝食を食べたあと、乗り気になった浩生に引っ張られるように式場を幾つか見学した。
清水さんが言ってた、『ある日突然思い立ったら、きっと初音ちゃんが驚くくらい強引になるかもしれないよ?』って言葉は本当だったのかも。
動きに無駄がなさすぎて、ビビるくらいだ。
そして最後に、私達は【U TA GE】に行った。
『仲直りしたら一緒に鍋食べに来てよ?』という言葉を鵜呑みにするのはどうだろう、と思いつつ、最後に話したのが電話だったことも気になっていて。
「あの男は気に入らないけど、この店の鍋は旨いよな」
「数家くんだっていい人だよ」
「いい人は彼氏のいる女に言い寄らねぇだろ」
「またそういうこと言う……」
言い争いをしながらお店に入ると、早速迎えてくれたのは数家くんだ。
私達を見つけ、一瞬目を丸くしたかと思うとくしゃりといつもの笑顔を作る。
「いらっしゃいませ。新沼さん、来てくれたんだ。嬉しいなぁ。さあ、どうぞ」
「……俺もいるけどな」
後ろでボソリと浩生が呟く。
いじけた声を出さないで。
とりあえずポーカーフェイスでお願いしますよ。
結局、朝食を食べたあと、乗り気になった浩生に引っ張られるように式場を幾つか見学した。
清水さんが言ってた、『ある日突然思い立ったら、きっと初音ちゃんが驚くくらい強引になるかもしれないよ?』って言葉は本当だったのかも。
動きに無駄がなさすぎて、ビビるくらいだ。
そして最後に、私達は【U TA GE】に行った。
『仲直りしたら一緒に鍋食べに来てよ?』という言葉を鵜呑みにするのはどうだろう、と思いつつ、最後に話したのが電話だったことも気になっていて。
「あの男は気に入らないけど、この店の鍋は旨いよな」
「数家くんだっていい人だよ」
「いい人は彼氏のいる女に言い寄らねぇだろ」
「またそういうこと言う……」
言い争いをしながらお店に入ると、早速迎えてくれたのは数家くんだ。
私達を見つけ、一瞬目を丸くしたかと思うとくしゃりといつもの笑顔を作る。
「いらっしゃいませ。新沼さん、来てくれたんだ。嬉しいなぁ。さあ、どうぞ」
「……俺もいるけどな」
後ろでボソリと浩生が呟く。
いじけた声を出さないで。
とりあえずポーカーフェイスでお願いしますよ。