謝罪のプライド

サラリと美乃里は言い切る。そうか。そういう考え方もあるのね。
私はなんとなくなんでも自分でしなきゃって思ってしまう方だから、美乃里のこの感覚は理解できない。
これでは浩生もキレるかもなぁ。


「もし、担当が九坂さんから変わっても気にしないで。新しい人にちゃんと食いついていくのよ?」

「はぁい。ありがとうございます、新沼さん。ちょっと元気出てきましたぁ」


そう言って、美乃里はたっぷり砂糖をいれたコーヒーを一気に飲み干す。


「今日コーヒー飲み過ぎでお腹タポタポだぁ」


けろりとそんな風に笑う。

……確かに、ある意味この子は打たれ強いのかもしれない。
コールセンター長の言葉を思い出して、心の中で頷いた。



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