謝罪のプライド
そして、言葉に出したことで自覚する。
そうか私、美乃里に嫉妬してるんだ。
私にはない女らしさや可愛らしさを持っている彼女に。
だから自信が欲しかった。
自信を持たせて欲しかったんだ、浩生に。
それを浩生に求めても、彼が満たしてくれることはないだろうに。
話しすぎて喉が乾くぐらいで、私は最後大きく息を吐き出した。
「は、あはは。なんでだろ。全部喋っちゃった」
「いえいえ」
「ごめんね。仕事抜けてくれてるのに。しかも、こんな関係ない話を聞かせちゃうなんて」
でも、関係ない人だったから言えたような気もする。
知り合いにだと、自然に弱いところを見せないようにしてしまうから。
「いいえ。スッキリしました?」
「うん、おかげさまで」
何かしらのアドバイスをもらったわけでもないけど、吐き出しただけでスッキリはした。
「ごめん。俺もそろそろ戻らないと」
「あ、そうだよね! ごめんね。今度なんかお礼持ってくるから」
「はは、それは要らないけど」
彼は制服のポケットからメモ帳みたいなものとペンを取り出すと何か書き始めた。
見ているうちのそれが伝票なのだと気づく。
そういえば、【U TA GE】は手書きの伝票だったなぁ。