トラブルが起きた時に、すみませんの言葉を出す人は多いはず。それは初音も同じで、仕事柄多用する言葉のひとつなのだろう。この物語には、謝罪についてのそれぞれの考え方が根本にある。つまりそれが題名、謝罪のプライドだ。
けれどそんなプライドをもって生きている人、働いている人はどれくらいだろう?なんとなく、で過ごしている人も少なくないはず。けれどその人たちにも感情はある。些細なことで傷つくことも励まされることも、感動することも。それを表側に出す手段はいくつかあるけれど、言葉にすることは有効な手段のひとつだと思う。感情のこもった言葉は、それだけですごい威力を持つ。
この物語の主軸は謝罪だけれど、それにまつわる様々な感情によって描かれる人間模様、恋模様が深く胸に突き刺さる。悩み、惑い、切なく揺れる女心は自分に経験があろうが無かろうが、共感できる。それでも変えられない恋心がここにあると感じられる物語です。