大切なモノを守るために

一緒にいる間
車の中ではずっと
手をつないでくれて。

たつみが全てだと思った。

やっと最初の彼氏よりも
いい人に巡り会えたと思った。


付き合った日に一つだけ
たつみに私は確認した。

「ねぇ私昔の彼氏に
 嘘つかれたりして疲れてたの。
 たつみの事信じていいよね?」


たつみはすぐグッと力をこめて
手を握って言ってくれた。

「俺は嘘とかつかない。信じろ。」

あの言葉を信じて喜んでいた。

あの日の帰り道も
帰ってからも幸せだと思った。


私は何も気づいてなかった。

たつみの言う事は信用していたから。

そしてここから私は
自分自身をごまかしていくようになる。

そんな事思ってなかったし
私は一生たつみの隣にいたかった。
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