大切なモノを守るために
不安で怖くて
耐えられなくて
一度だけ行ったことのある
たつみの家を目指して
私は走っていった。
たつみの車もいつも通りあって
たつみの姿が窓越しに見えた。
今すぐ駆け込みたかったのに
私はなぜかそれをしなかった。
代わりに外から
ずっと叫んでいた。
たつみ。
たつみ。
私ここにいるよ。
捨てるなら捨ててもいいけど
何もなく終わらせるのはやめてよ。
ねぇたつみ。
気づいてよ。