大切なモノを守るために
初めての恋
地元のいわゆるヤンキーの
集まりにずっと顔を出していた。
メンバーはほぼ同じ。
だけどある日突然
一つ上の先輩達が加わった。
男は喧嘩ばっかりのグループ。
女もそんなのにのっていた。
一つ上の先輩で一人
私は突然告白された。
小学校の頃の
好きだよとは確実に違う
告白だった。
生まれて初めて
付き合ってほしいと言われた。
私はただ舞い上がった。
何も知らないけれど
付き合うって事
彼氏彼女の関係になること
そこへの興味と好奇心は
抑えきれなかった。
実際いきなり言われて
嫌いではなかったけれど
愛してるとまでは言い切れない。
だけど私は理性なんてなくて
答えをイエスにした。
初めて彼氏ができた。
先輩で喧嘩も強くて
好きという感覚は
どんどん強くなっていった。
すぐにHもした。
もちろん初体験。
何もかもが初めてで
こんな感じなのかと
感動すら湧いていた。
初めてを全てくれた先輩に
いつのまにか私は
先輩が想うより強く
先輩の事を愛しいと感じていた。
だけどたった2ヶ月で
終わりを迎えた。
後から人に聞くと
先輩はただの処女狩りしてるんだよ
と言われた。
すごく悲しくて辛くて
受け入れられなかったけれど
別れたからといって
グループに顔を出していたから
毎日会っていた。
そして顔を合わす度想いは募って
この人とやり直したい
本気で好きだって言ってほしい
ただ取り戻したかった。
徐々に先輩に拒否されるようになっても
想いは消えてくれるどころか募っていく。
どこがいいの?あんな人の。
聞かれる度答えた。
「全て」だと。
先輩に呆れられても好きで
どうしようもなかった。
先輩が卒業の時ボタンくれた事
今でも大切な思い出だと思ってる。
先輩は高校へ。
私は中学三年へ。
その間に彼氏と呼べる人
三人ぐらいと付き合った。
全部ちゃんと真剣に付き合ったけど
誰一人先輩を越えてくれなかった。
先輩にしか興味がなかった。
当たって砕けてを何度も繰り返した。
戻れるのなら
愛してくれるならと。
その願いは届かなかった。
結局二年引きずったまま
私も高校へ行った。
行くつもりもなく
中学で退学届をもらう予定だったのに
ただただ私は流されるまま
中学と同じ高校へ
エスカレーターで上がっていった。
先輩はその時もう私の番号も消していた。
高校へ入って自然にグループは
内側でのもめ事が多くなり
解散になっていった。
私は先輩に会う機会を失った。
偶然一度だけ電車で一緒になった時は
もう私は声もかけれなかった。
勇気はなかった。
だけど降りる時先輩は
私に挨拶してくれた。
そのまま泣きながら
私は家へ帰っていった。
もうこの中学の間で
親は呆れ果てて
私の事をいない存在にしていた。
家に帰っても何もない。
その頃から私は
突然発狂して部屋中
グチャグチャにしたり
気づけば一人床の上に
座っていて
腕から血が出ていた。
そして鏡を見ると
これは誰なんだろう?と
意識が一瞬体から離れるのを
感じるようになっていった。
だけどこれも当たり前だと思って
全て塞ぎ込んで何もないと言い聞かせた。
先輩にそんなことも相談できなかった。
番号すらわからず拒否されてるのに。
だけどどうしても忘れられずにいた。
結局私の片思いは三年間続いた。
気づけば高校二年になっていた。