狼くんにご用心♡
「ハァハァ…なんで走んの」
後ろで息が荒くなった王子が
物凄い睨む。
「ここまで、来たら大丈夫だね」
「だから、なんで、ここまで走んの」
「いいから!もう、空気読んでよ!」
王子を引っ張って走ってきた私は
今、非常階段にいる。
「で、なんの用事?」
ここまで来ないと、周りから
変なふうに思われるから
走ってきたのはいいものの
「だから、俺の弁当は?」
この、意味のわからない事を言い出す
私と王子の温度差って何なのよ…
「待ってよ、なんで弁当なの」
「約束したじゃん。俺の専属料理人って」
え?
朝だけじゃなくて、昼ご飯もなの?
「き、きいてないよ!持ってきてないし」
すると、王子の顔が一気に寒くなる。
「俺、昼飯抜きかー。あーそうなんだー」
ニヤリと口角をあげる王子が
また、ジリジリと近づいてくる。
かっ顔が近いッ
気づいたら王子との距離が
10cmぐらいしかなかった。
ドキッ
顔が真っ赤になる。
いや、ほんとに近いからー!
「あ、あれだよアレ、今日は
購買で買いなよ」
あ、あはは。
顔が近くて、ドキドキして
声が裏返る。
「ふーん」
と言うと、王子が離れる。
ホッ
これで普通に出来る。
「ごめー「ならさ」
「キスしてよ、今」