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教室に入ると、もうすぐ始業のチャイムが鳴ろうという時間だった。

誰もが、数人のグループに別れてコソコソ話をしている。

中には泣きじゃくっている子もいて、日常とは違うことを痛感させられる。


机にカバンを置くと、私はそのまま教壇を見た。

「・・・」


『君にできることをすればいいんだよ』
正輝の言葉がまだ耳に残っている。


弘樹も和田も、そして、ここにいるみんなも。

誰も私の味方なんかじゃない。

でも・・・。

でもっ。

このクラスの皆殺しを望んでなんかない。


両手でこぶしを握りしめると、私はゆっくり前に向かって歩いてゆく。
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