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夜の学校は、不気味そのもの。

自転車を停めると、あまりの暗さに足がすくんだ。

宿直室に明かりが消えていることを確認する。

もう宿直の先生は寝ているらしい。

裏手に回って、女子トイレの窓から中に入る。

ここは、ずっと前から壁に穴があいているので、手をのばせば鍵は簡単に開くのだと、クラスの誰かが話していた。

私にじゃないけど…。


__キィ・・・


トイレのドアから廊下に出る。

非常灯だけが光る廊下は、少しの距離でも永遠かと思うほど長く感じる。

「・・・う、こわい」
思わず声が出て、足早に階段を登る。

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