444
「え?ま、正輝」

口から手を離されて、改めて相手を見る。

そこには正輝が立っていた。

「驚かせてごめん」
小さな声で言いながら、正輝は笑う。

非常灯と月明かりで、けっこう明るい。

その表情もしっかりと見えた。


「もう、驚かせないでよ!」

心臓がバクバクしてる。

手で胸を押さえて、息を整える。

絶対、寿命ちぢまったはず。

あれ・・・?

「ねぇ、正輝。なんでここにいるの?今朝は会わなかったのに、なんで私が来ること知ってるの?」

不思議に思って尋ねた。
< 203 / 265 >

この作品をシェア

pagetop