僕のonly princess
やっぱり佐知の言う通り、最初から俺が自分の手で守ってあげるべきだったんだ。
結花ちゃんがこんなにも傷ついて、恐怖に怯えているのに別れて一人にしてしまったなんて、俺は本当に何て馬鹿なんだろう。
俺の言った言葉も結花ちゃんを傷つけたはずだ。
その上、結花ちゃんに嫌がらせしていた張本人と付き合うなんて……
俺はどれだけ結花ちゃんを傷つけたんだろう。
そう思うと、怖くなった。
結花ちゃんはこんな俺を許してくれるだろうか?
もう一度向き合いたいなんていう俺の想いは、浅はか過ぎるのかもしれない。
だけど……
ここで諦めたくない。
今度は俺から結花ちゃんに向き合うって決めたから。
俺は自分の気持ちを結花ちゃんに伝えたい。
それで拒否されても、今度は俺が結花ちゃんを追いかける。
俺は結花ちゃんを周りの視線から庇うように抱き締めたまま清稜を出て、少し先にある公園のような広場のような場所で立ち止まった。
遊具もなく、ベンチが2つだけ置いてある小さなその場所には誰もいない。
俺はゆっくりと結花ちゃんをベンチに座らせた。
俺もその隣に座って、一呼吸置いて結花ちゃんに声を掛けようと口を開いた。