僕のonly princess
「薫くん?」
やっぱり心配そうに声を掛けてくれる結花の顔を見て、俺は情けないけど白状する。
「……俺、かなり舞い上がってる。結花ともう一度付き合えるのが嬉し過ぎて」
「え……」
俺が正直にそう言うと、今度は結花が顔を真っ赤に染める。
その顔がやっぱり可愛すぎて、俺の心臓はドキドキと鼓動を速くさせた。
「……俺の初恋は君だったみたい」
呟くように小さく言った俺の言葉に、結花は真っ赤な顔のまま目を丸くさせた。
その後俺は、ポツポツと佐知のことや今までの偽の恋愛について結花に話していた。
別に全部話す必要はないことなのかもしれないけど、結花に聞いてほしいと思ったんだ。
こんな気持ちになるのは、結花が初めてだって。
結花が俺の心の闇に光を当ててくれて、俺を救ってくれたんだって結花に聞いてほしかった。
「ホント、どうしようもない男だよね。でも結花に出逢って、結花が俺を闇から救ってくれて……それが結花だったってことがすごく嬉しいんだ」
佐知のこと。
これまでの俺の偽りの恋愛のこと。
それを聞いた結花は俺を軽蔑するかもしれない。
軽蔑されても仕方がないことだと思う。
その不安が俺に重く伸し掛かる。
でもそれ以上に、俺は結花に出逢えたことが嬉しくて。
結花のことを想うだけで、自然と笑顔になっていた。