僕のonly princess
薫くんを傷つけてしまった私を薫くんがどう思ったか不安だけど、私はちゃんと自分から薫くんに話さないといけないと思った。
不安だと言って、薫くんを信じていないなんて、それこそ薫くんに失礼だってやっと気付いたから。
あんなに私を大切にしてくれている薫くんの気持ちを疑うなんて、私はどれだけ愚かで弱いんだろう。
薫くんから告白してくれたあの日。
薫くんは私にお姉さんとのことや今までの恋愛のことを、全部包み隠さず私に話してくれたのに。
それはきっとものすごく勇気のいることだったと思う。
それでも私にちゃんと話してくれた薫くんは、きっと私のことを信じてくれていたんだ。
なのに、私は………
本当に情けな過ぎて、私は自分の弱さに唇を噛み締めた。
薫くん、本当にごめんなさい。
ちゃんと話すから。
私も全部、薫くんに聞いてもらいたいと心の奥では思っているから。
だから……お願い、嫌いにならないで。
結局、自分勝手にそう願ってしまう自分自身に嫌気がさすけれど、それでも願わずにはいられなかった。
こんな馬鹿な私だけど、それでもどうしても薫くんのそばにいたいの……
薫くんが本当に好きだから。
薫くんがいない毎日なんて、もう考えられない。
勇気を出すから、私にチャンスを下さい。
心の中に浮かぶ悲しそうな顔をした薫くんに、私は何度も何度も懇願していた。