僕のonly princess
楽しい出会いと予期せぬ再会
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今日は8月最後の、夏休み最後の日曜日。
私は薫くんに誘われて薫くんのお家で行われるバーベキューに参加させてもらうことになっていた。
あんな酷いことをした私を薫くんが誘ってくれて、信じられないくらい嬉しかった。
薫くんの気遣いの溢れた普段と変わらないお誘いのメールを見て、私は涙が出た。
薫くんは私をちゃんと受け入れようとしてくれている。
勇也に言われたように、嫌われても仕方のないことをした私を薫くんは何事もなかったようにお家に誘ってくれた。
私はそんな薫くんの気持ちに勇気をもらえた気がして、今日、ちゃんと薫くんにすべてを話そうと思っていた。
バーベキューの後、時間を作ってもらって私の口から話すんだと、強く決心して私は薫くんのお家のある駅に降り立った。
改札口を出ると、すでに待ってくれていた薫くんはすぐに私に気付いて手を振ってくれた。
そんな薫くんに笑顔で手を振りかえして、私は薫くんの元に駆け寄った。
あんな別れ方をしてから初めて会うせいで、かなり緊張していた私は少し硬い笑顔になってしまっていたかもしれない。
それでも薫くんはいつも通り優しい笑顔で私を迎え入れてくれた。
「おはよう、結花」
「おはよう……薫くん、あのっ」
今日は会ったらまず、あの日のことを謝ろうと思っていた私は、笑顔の薫くんのまっすぐ見つめて、勢い任せに声を掛けた。
「この間はごめんなさい!」
言葉と同時に頭を下げて薫くんの言葉を待つ。
ドキドキと苦しいくらいに緊張している私は微かに肩が震えていた。