僕のonly princess
「……結花。顔、上げて?」
頭上から聞こえる薫くんの優しい声に私は恐る恐る顔を上げた。
声と同じ優しい瞳をした薫くん私を見つめていて。
私は思わず鼻の奥がツンッと痛んだ。
「結花は俺のこと、好き?」
私を見つめたまま、急にそんなことを訊いてくる薫くんの顔はとても真剣で。
私は何度も大きく頭を縦に振って頷いた。
「好き。大好き。薫くんだけが好き」
普段なら恥ずかしくて言えない言葉も、今は溢れてきて止められない。
薫くんはそんな私に微笑んで、ふわりと優しく抱き締めてくれた。
「よかった……色々変なこと考えちゃったけど、結花がそう言ってくれるなら俺は結花の言葉を信じるよ」
「……薫くん。ごめんね」
ホッとしたような口調でそう言ってくれる薫くんに私の目に涙が滲んだ。
こんなに優しい薫くんに色々余計なことを考えさせてしまったなんて、本当に私はどれだけ馬鹿なんだろう。
そんな私を信じてくれると言う薫くんの言葉が嬉し過ぎて、私も抱き締めてくれる薫くんの背中にギュッとしがみついた。