僕のonly princess
「うわぁ、笑った顔もまた可愛い……あ、いや、薫、だから……」
「忠は学習能力がゼロだな。ごめんね、結花ちゃん。こんなに煩くて」
「え、あ、いいえ。そんなことないです。仲良しなんだなって思って微笑ましいですよ」
忠くんの発言にまた薫くんに睨まれた忠くんが慌て出したのを見て、呆れた顔をしたもう一人のお友達が私に話しかけてくれた。
薫くんとはちょっと違う印象だけど、この人もとっても優しく笑う人だと感じた。
「ふふっ。結花ちゃんって想像してた通り可愛くていい子だね。薫が夢中になるのもわかるな」
「……え?」
薫くんが夢中!?
その言葉に私は驚いて目を丸くしてパチパチと瞬きをしてお友達を見つめた。
「吾郎まで。結花を可愛いって言うのは俺だけでいいの」
さらに薫くんが言ったこの言葉に私の顔は一瞬で真っ赤になってしまった。
「真っ赤になった顔もまた可愛ぃ……」
「忠はピーマンオンリーで決定だね」
「えぇぇぇ!?か、薫……薫くん、薫様!それだけは」
「ホント、バカだよなぁ、忠って」
『ね?』と吾郎くんに笑いかけられて、私はまだ熱の引かない顔で彼に笑い返しながら薫くんに両手を合わせてお願いしている忠くんを見て笑い声を上げた。
初めて会った薫くんのお友達。
忠くんも吾郎くんもすごくいい人達で。
薫くんもそんな二人となんだかんだ言いながらとっても楽しそうで。
私といる時とはまた別の顔をした薫くんを見ることができて、私はとても嬉しい気持ちでいっぱいになった。