僕のonly princess
みんなでワイワイと言いながら、理さんがサーブしてくれる美味しいお肉やお野菜を堪能していた。
忠くんは薫くんにお皿いっぱいに乗せられたピーマンをとっても嫌そうな顔をしながら、食べきった後、楽しみにしていたお肉を夢中で食べていてその姿が本当に子供みたいでおかしかった。
吾郎くん曰く、忠くんはピーマンが苦手らしい。
それを知っていてあんなにたくさんのピーマンを笑顔で食べさせる薫くんは、かなりなSなのかもしれないとチラッと思ったのは内緒の話。
そんな風にとても賑やかにバーベキューを楽しんでいると、お屋敷の方から男の人が二人、歩いてくるのが見えた。
薫くんからお父さんが後から誰かを連れて来ると聞いていたので、お父さん達だろうと思って、私はまた少し緊張してこちらに歩いてくる人達に視線を向けていた。
「おお、やってるな!理くん、さすがに手馴れてるな。みんなも楽しんでくれているかな?」
にこにこと笑いながら、私達の元へやってきたお父さんらしい人が私達の様子を見て嬉しそうな声をかけてきた。
でも………
その薫くんのお父さんの嬉しそうな声が耳に届かないくらい私は驚愕して目を見開いて固まってしまった。
薫くんのお父さんの後ろに立っていたお父さんと同じくらいの年齢の男性に、私は心臓が止まるほどびっくりしていた。
そして、お父さんの後ろに立つ男性も私の顔を見て、私と同じようにびっくりした顔をしている。
私は驚きで固まったまま、その人から視線を外すことができなかった。