僕のonly princess


「結花、今までたくさん頑張ってきたんだね。これからはそんな結花のことは俺がずっと守っていくからもう不安になったりしないで。どんなことがあっても俺は二度と結花のそばから離れないから」


「…う、ん。薫くん……ありがとう。こんな私を好きだって言ってくれてありがとう。私も薫くんが大好きだよ」


薫くんの腕の中で聞く薫くんの言葉は、それまで私の中にあった苦しい痛みの塊を完全に溶かしてくれたような気がした。
とっても嬉しくて幸せで、薫くんが愛しくておかしくなりそう。
そんな溢れだした気持ちを言葉にして薫くんを見上げた私に、薫くんはどんな華も見劣るほどの綺麗な笑みを浮かべた。


「俺も結花が大好き……愛してる」

肌が触れるほどの距離でそう言った薫くんは、華のような笑顔のまま私の唇を優しく塞いだ。


嬉しさと愛しさに胸が痛いほど、焦がれる。


私は優しく、でもとても熱く交わされるキスに身を委ねながら、自らの幸せを噛み締めていた。


薫くんが言ってくれたように、私を命がけで守ってくれたお母さんに心の中で精いっぱいの感謝の気持ちを唱えながら。





――――お母さん、私を守ってくれてありがとう。




薫くんと出逢わせてくれて、ありがとう…………



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