僕のonly princess
「倉石くん、君と結花のこともちゃんとわかって安心したよ。結花の家族の倉石くんが色々結花のことを知っているのは当たり前だってね」
「ふーん、そうかよ」
「でもこれからは俺が一番、結花のことを理解したいと思ってるから。今までの倉石くんに負けないくらい、いや、それ以上に結花のことは俺が守るからね」
「……あ、そ」
薫くんの勇也に対する宣言のような言葉にまた涙が溢れそうになった。
今日は何度こうやって薫くんに嬉しい言葉をもらっているんだろう。
薫くんの気持ちの深さと大きさに何度目かもわからないくらいの感動が私を襲う。
「江本ってそういうこと恥ずかしげもなく言えて、ある意味尊敬するよ」
勇也が呆れたような顔で肩を窄ませると、薫くんは満面の笑顔で『ありがとう』と答えた。
「いや、嫌味だぞ、今の」
「知ってるよ」
呆れ顔の勇也と満面の笑顔の薫くん。
対照的な二人のやり取りを私はこれ以上ないほどの幸せを噛み締めながら、笑顔で見ていた。