僕のonly princess
翌朝、私は幸せの余韻をまだ感じながら、学校へ登校した。
『エミリちゃんと何かあったら、すぐに相談してね』
朝いちで届いた薫くんからのメールが、また私を幸せにしてくれた。
こんなに気遣ってくれる薫くんの優しさが嬉しくて仕方がない。
その分、私はエミリちゃんと改めてちゃんと向き合わなければと思った。
薫くんに悲しい想いをさせたままではいけない。
それに、私もせっかくできた友達と正面から向き合いたいと思ったのだ。
でもそんな私を待っていてくれたのは、エミリちゃんの方だった。
エミリちゃんは教室に着いた私を待ちかまえていたように声をかけてきてくれて、私達はまだ人気の少ない教室で向かい合った。
「……昨日は本当にごめんっ!謝って済むようなことじゃないけど、あんなことを口にして私って最低の人間だった。本当にごめんなさい!!」
エミリちゃんは私よりも先に口を開いて、そう言うと思いっきり頭を下げてくれた。
びっくりしてしまった私は瞬きをしてエミリちゃんを見つめて、慌てて彼女の手を取った。
「エミリちゃん、顔を上げて?昨日はびっくりして薫くんの反応を考えると怖くもなったけど、それでも私はエミリちゃんの言ったことは完全に間違ってるとは思わないの。確かに私みたいな子が薫くんと不釣り合いだって思われるのは仕方がないって思う」
「で、でも!」
私はゆっくりと顔を上げたエミリちゃんと視線を合わすと自分の正直な気持ちを話し始めた。