僕のonly princess
真実と和解
薫くんから週末に薫くんのお家でデートしようと誘われて、私は土曜日の午後、薫くんのお家を訪れていた。
バーベキューの時と同じように最寄駅まで迎え気に来てくれた薫くんとお家に向かう。
薫くんの家族の人達はみんな素敵な人達だったから、もう一度会うことができるのが嬉しかった。
もちろん、薫くんと一緒にお家でゆっくり過ごせるのも嬉しくて、その日の私はとても心が弾んでいた。
薫くんはそんな私をいつものように優しく見つめてくれる。
だけど、その優しい瞳の奥に少しいつもとは違った何かを感じるような気がするのは、私の思い過ごしかな?
「結花、俺の部屋に行く前に先にリビングでお茶しよう」
玄関を上がると薫くんはそう言って、私の手を引いてお屋敷のようなお家の長い廊下を奥へ進んだ。
優しい口調と表情の薫くんだけど、どこか緊張しているような硬さがあるのはどうしてだろう。
私は不思議に思いながらも、何も聞けなくて薫くんに手を引かれるままリビングへと向かった。
「結花。俺は結花が大好きだよ。結花は?」
リビングのドアの前。
突然立ち止まった薫くんはそう言って隣に立つ私を真剣な瞳をして見つめた。
急に言われたストレートな言葉に私は真っ赤になってしまう。
何度言われても嬉しくて、ドキドキする気持ちは増すばかりだ。
私は急にこんなところで薫くんがどうしてそんなことを言ったのか不思議に思いながらも、真っ赤な顔で薫くんがくれた言葉と同じ言葉を返した。
「……私も…薫くんが……大好きだよ」
「ありがとう。すごく嬉しい」
私の答えに満足げに微笑んだ薫くんはそっと私の頬を撫でる。
薫くんの優しい指先に私の鼓動はどんどん跳ね上がって行く。