僕のonly princess


俺の隣で同じように二人を見ている結花ちゃんもホッとしたのか「よかった」と小さな声で呟く。
その声が少し涙声なのが結花ちゃんらしくて、俺はクスッと笑って「そうだね」と呟き返した。


「ありがとうございます!本当に何てお礼を言っていいか……」


ひとしきりたいちくんを抱き締めていたお母さんは、たいちくんから「このお姉ちゃん達が連れてきてくれたの」という言葉を聞いて、慌てて立ち上がって深く頭を下げた。


「いいえ、全然大したことはしていませんから。たいちくんに色々楽しいことを教えてもらってただけです」


結花ちゃんは笑顔でそう答えると、お母さんとしっかり手を繋いでいるたいちくんの目線に合わせてしゃがんで、そっと頭を撫でた。


「大好きなお母さんに会えてよかったね、たいちくん」


「うん!お姉ちゃんありがとう!!」


さっきまで見せなかったとびきりの笑顔で頷いたたいちくんに結花ちゃんも嬉しそうに頷き返して、「それじゃあ」とお母さんに会釈して俺の隣に戻ってきた。


「お姉ちゃん、お兄ちゃんバイバ~イ!!」


「バイバイ、たいちくん」


立ち去る俺達にブンブンと大きく手を振る笑顔のたいちくんに、振り返った結花ちゃんも手を振り返す。
その横顔が本当に嬉しそうで、俺まで自然と頬が緩んだ。


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