僕のonly princess
重たい気持ちを溜息に変えて、振り払おうとした俺は枕元にある携帯のランプが点灯しているのに気付いて、ロックを解除した。
何件かメールが入っていて、その中に結花ちゃんの名前を見つけて真っ先に開けた。
『今日はとても楽しかったです。ありがとう』
たった一言、それだけの内容なのに、昨日の結花ちゃんの笑顔だとか恥ずかしそうに染めた赤い顔だとか浮かんできて俺は無意識に口角を上げていた。
頭の中で響いていたあの佐知の声が、知らないうちに消えていた。
俺の冷え切った心が温度を持った気がした。
どうしてだろう……、
今、無性に結花ちゃんの笑顔が見たい。