僕のonly princess


その日1日、結花ちゃんの笑顔が見たくて仕方なくて。
俺は放課後、約束もしていないのに結花ちゃんの学校へ向かっていた。


結花ちゃんの高校は清稜女学院という女子高で、所謂お嬢様学校だ。
親が金持ちの子ばかりで、何度かここの女の子と付き合ったことがあるけど、どの子も自信家で自分が一番だと思っているような子だった。


結花ちゃんはそんな感じはまったくない。
素直で純粋で、擦れてるところがほとんどない女の子だから、清稜の生徒だってことに違和感があるくらい。


まあ、清稜のお嬢様達が全員、俺が付き合ったような女の子だってことはないか。
結花ちゃんみたいな子だっているだろう。


たぶん、かなりの少人数だろうけど。


なんてことを考えながら、清稜の校門の前で結花ちゃんが出てくるのを待っていた。


今日は結花ちゃんは委員会か何かで帰りがいつもより遅くなるからと言って、放課後会う約束はしなかった。
だからきっとまだ学校にいるはず。
ここで待っていれば、結花ちゃんに会える。


そう思って校門の前に立つ俺は、どうしてそんなに結花ちゃんに会いたいのかその理由をわかっていなかった。





ちゃんとそれがわかっていたら、俺はもっと早く変われていたのに。



結花ちゃんを苦しめずに済んだのに………









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